アフリカの旅 10

1998年5月29日 晴れ、曇り、一時雨

朝、レセプションの所でマネージャーと会うと彼は心配顔になり、「気を付けて下さい。彼女達は盗みを働きます」と言った。そして、私が彼女らとは初対面だと知ると彼は驚き、「彼女達を知らないのですか?」と言った。

彼の話だと、あの3人の娘が、ここにチャイニーズがいるだろうと言うからそうだと答えると、あのチャイニーズは友達だと言うのでレストランの中に入れたという事であった。そうでなければホテルに入ることは認めなかったという事であった。今度は私がびっくりする番だった。すると、彼女らは計画的に私に近づいてきたという事になる。私はカモという訳だ。敵もなかなかしたたかである。

薬が切れると痛みがかなりあるので傷が治ってないと判断して、私はしばらく安静にしている事にした。それに外であの3人組に捕まったら、たかられるに決まってるから面倒な事になる。私は終日大人しくホテルにとどまり、窓からのスケッチや、手記を書いたり、中上健次の作品を読んで過ごした。日本語を使用しなくなって、早くも10日近くなる。日本の小説を読んでいると、日本語を喋れない欲求不満から解放されるような気分がした。

ここには、猥雑さと暴力が放置されていた。毎日が私にはスリリングである。

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