アフリカの旅 17-1

1998年6月7日 晴れ ナイバシャ→ナイロビ

荷物をまとめ、下の階のレストランでフルコースの朝食。フルーツはビタミン補給の為、全部食べる。いつもバナナ一本、パイナップルのスライス3枚、パパイア1/4と決まっている。朝食はホテル代に入っている。この後に、オートミールと温かいミルク。その後にベーコンとフライドソーセージとオムレツとトーストのメインが出てくる。最後はティーだ。この朝食ともお別れだ。

私は腰になるべく負担がかからぬように、大幅な荷物の減量作戦をした。ただでさえ少なめの荷から、更に不要な物を取り除く。傘、辞書、パンツ1靴下1、野球帽、ペン、日本製の缶切り、予備の髭剃り、海水パンツ、文庫本、小型ラジオ等だ。これは全てホテルのスタッフに上げた。アフリカ(ケニヤ)では物資が不足しているから、彼等は大喜びしていた。私の荷は大幅に軽くなり、11㎏になった。

日本製の髭剃りを貰って喜んでいたサブマネージャーが、私をマタトゥステーションまで連れて行ってくれた。彼は私の荷も持ってくれた。ジョルジュはいなかったので、ネクタイを渡すようにと彼に頼んでおいた。

なんでアフリカへ来るのにネクタイなんか持ってきたのか、私にもよくわからない(レストランによっては必要)。帰途、オランダのアムステルダムに4、5日いる予定だからその為の物であったと思う。しかし、もうどうでも良くなった。

アフリカの後のヨーロッパ、きっと霞んじゃうだろうなあと思った。カルチャーショックの度合いが違う。私達はヨーロッパ社会に対しては既に免疫がある。しかし、アフリカに対しては何にもないのだ。一人でアフリカに放り出された(自分出来たのだが)先進国(この言葉は好きじゃない)人の私にしてみれば、ものすごい強烈なパンチだった。

しかし私は立ち直りつつある。アフリカに対しての免疫を身に着け始めている。自分でも、目つきが険しくなったと思う。恰好も埃まみれで汚くなっている。でもそれが、それのみが一人旅をしている私の安全を保障するのだ。

ぎゅう詰めのマタトゥに乗り、ナイバシャを離れた。隣の席の少年に「ナイロビに行くか」と聞くとイエスと言った。これで大丈夫だ。

私は通り過ぎる景色、村、人々を見守った。特急長距離マタトゥは、途中殆ど止まらずにビュンビュン走った。日産のデリバンに20人すし詰めだ。しかし、プジョーのように車に酔う者はいなかった。車の大きさというものも、車酔いに関係するのだろうと思った。アルファー派と言う奴かもしれない。ビートの利いたゴスペルを聞いてるうちに、いつしかマタトゥはナイロビの町に入った。時計は正午を示している。マタトゥ乗場でみんな降りた。私も降りる。ここはリバーロード。ナイロビのダウンタウンだ。来たばかりの頃あれほどビビったのに、今は平気だ。

町の中心にあるヒルトンホテルが見えた。情報を得る為に、今日泊まるホテルは外人バックパッカーの多いエムバシイ・ホテルにしようと思った。既にその位置は頭に叩き込んである。ホテル860を右手に入った所、シティーマーケットの裏にある。私はホテル・ヒルトンの方向に向かって歩き始めた。

途中、リバーロード・ホテルのレストランに入って昼飯にした。名前はすごいけど、掘立小屋に毛の生えた典型的アフリカンレストランだ。風呂屋の番台みたいな所に親父が座って会計をしている。インド流だ。私はオールドデリーのレストランを懐かしく思った。ボーイの少年にクク、チャパティとチャイを注文した。全部で100シリングだった。

ククというのはチキンのスープだ。鳴き声がそのまま料理名になったわけだ。皿の中央に1/4がゴロンと乗っている。両手でむしゃぶり、チャパティと一緒に食う。美味い!実に美味だった。辛いソースをボーイが持ってきてくれた。チリと玉ねぎと何かよく知らないスパイスの微塵切りを混ぜ合わせ、ドロッとしている。日本の三升漬を思わせる。辛いがなかなかイケる。

アフリカの料理は全体に塩味が薄い。もともと塩と縁が無かった時代がずっと続いてたのだから、無理もないと思った。食べ物はヘルシーだ。インド人の店は美味い。食べてない物の方が多い。1ヶ月では無理だと思う。

17-1店を出て、ダウンタウンの人混みの中を歩いた。車が通り過ぎると埃が舞う。陽射しがきつい。しかしさほど暑くない。白人でここを歩いてる者はいない。
ニュー・スタンレイ・ホテルの前に出た。初めて泊まったホテルだ。真面目そうな青年にケニヤッタ・アベニューを襲えてもらい歩いてゆくと、ホテル860があった。サミーと昼飯を食いに来たので見覚えがあった。リュックを担いでいるので、コミッションボーイや乞食がしつこく寄ってきたが相手にしないでどんどん歩いた。この手合いは詐欺師が多い。

ホテル860からケニヤッタ・アベニューを右手に折れて少し行くと、目指すエムバシイ・ホテルの看板が見えた。ヤレヤレというところだ。

今はオフシーズンだから、大概どこでも泊まれる。ここも例外ではなかった。受付のおじさん(僕より若いと思う)に1泊800シリングを払い、鍵を貰って3階にある部屋に行く。途中にガードマンの詰所があった。シャワールーム、デスク、タンス、ベッドが付いている。部屋の広さは8畳くらい。壁はクリーム色に塗られている。清潔だ。

汗でベタベタだったのでシャワーを浴びた。驚いた事に、日中だというのに熱い湯が出てきた。バケツに湯を汲んで、日本式に石鹸とタオルで体を洗ったら気持ちよかった。ついでに洗濯した。着替えて(パンツ1、Tシャツ1、靴下1しか持ってない)ベッドに倒れこんだ。しばらく眠った。


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