アフリカの旅 21-1

1998年6月11日

ひんやりとした空気を突いて朝の光が射してきた。まだ5時ごろだ。もう全員が起きだし、朝のサファリに出発する準備をしていた。昨夜テントの所にいたマサイの青年が、サファリカーの向こうに立っているのが見えた。

早朝は野生動物達の狩る方も狩られる方も活発に動き回るので、彼等を観察する絶好の時間帯なのだ。サファリカーはすぐに出発した。キャンプ地を離れ、広い草原に出た。まるで牧場にでもいるかと思うほどガゼルやシマウマが群れ、キリンの長い首も動いていた。

やがてサファリカーがピタリと停まった。ヨセフが指さす方を見ると、ペアのチーターが狩りを始める所だった。群れから少し離れて草を食べているガゼルを狙い、両方から草の中に隠れるようにして忍び寄って行くのが見えた。距離を縮めると、猛烈な勢いで2頭のチーターはダッシュした。

21-1bこの時は失敗した。ガゼルの群れは去り、2頭のチーターは諦めて腰を下ろした。その後彼等はしなやかで堂々たる、そして美しい歩き方で別な群れを探して去って行った。見守っている人間達の事など、まるで眼中にないという態度である。イカれた奴らだとでも思ってるのかもしれない。

狩られる草食獣は圧倒多数を占め、狩る方の肉食獣は数が少ない。少し考えると、肉食獣がいる事によって草食獣のバランスが保たれているという事がわかる。
それにしても逃げる時のガゼルの速さは凄い!!ほとんど空中を飛んでいる感じだ。逃げる、それだけが身を守る。

今は雨季の終わりで、草原の緑が美しい。一部では枯れ始め、そのため草原が黄色く見える所もある。樹木は濃い緑色に見える。見知らぬ木も沢山あった。大きなヘチマのようなものが無数にぶら下がっている木が途中にあった。ヨセフが「これはソーセージツリーだ。この実は食べれないけど、これでビールを作る」と教えてくれた。

大草原の中には無数の道がある。山、川、池、谷があり、変化に富む。ヨセフは道を知り尽くしている。迷うという事はなかった。

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