マジャールの残影 11

1997年4月27日 日曜日

朝早く、家の近くへスケッチに行った。早朝なので人影は少ない。写真も道路の真ん中に立って撮る事も可能だ。

9時頃にホテルへ戻り、フミコの手作りで朝食。西洋風オジヤだ。

食事の後、近くの教会のミサに行った。

どこの教会も立派なものだった。ここはネオ・ロマネスク風の建物で、信者もたくさん来ていた。地方の方が信仰は熱心なようだ。これは世界中共通している。

パンを貰う(聖体)時に神父に何か聞かれた。多分、洗礼を受けているかどうかと質問したのだと思うが、モゴモゴ言ってると渋滞するのでパンをくれた。一時はどうなるかと思った。

しかし私はニセ信者ではないのだから、胸を張っていて良いわけだ。ちゃんとフランシスコという洗礼名を与えられている。れっき?としたカトリックの信徒なのだ。しかし、教会を出ても「異教徒、待てえー!」と追手が来るような気がして落ち着かなかった。言葉が通じないのは不便だ。

フミコはこちらへ来てから、小物を入れる簡単なショルダーバッグを探しているが適当なものが見つからない。しかし、色々な小売店があってウインドーショッピングが楽しい。日本ではスーパーやディスカウントショップ、コンビニが乱立してそういう楽しみは無くなってしまった。

ペーチは学生の多い街で、古めかしいものと若々しいものが一緒に存在する。音楽喫茶は無いが、ビアホールはいつも一杯だ。ワインバーも昼間から客で結構賑わっている。仕事の合間にちょっと一杯ひっかける人も多い。

昼過ぎに観光客の多いレストランで昼食。日曜日なので、いつも行く店は休みだったので仕方ない。レストランから歩道にイスとテーブルが置かれて、日除けの下にいると風が涼しい。

ここのボーイは英語が話せたので注文は簡単だった。たっぷりのグヤーシュ(豆と肉)スープとパン、それにサラダ一皿とメキシカンパンケーキを頼んだ。

こういう所では、先に飲み物を頼み、それを飲みながらゆっくりメニューを見て決める。私は冷たいビール、フミコはソーダ水を飲みながら道行く人々を観察した。

実に色々な顔立ちがあるものだと、いつもの事ながら感心する。色の浅黒い人達はジプシーである。ジプシーはヨーロッパに多い。どこの国でも彼らのライフスタイルはほぼ共通しているし、服装も同じ。女性は必ず長いスカートをはいている。髪は長く黒く、瞳も黒い。ジプシー独特の共同体感覚で動いている。

放浪の画家、チョントバーリの記念館を訪ねる。

100~300号のクラスの作品も多い。独特の色使い。絵は稚拙に見えるが、残されたデッサンは天才的に上手い。表面の形を追求する事をやめたか、チョントバーリの絵はジプシー的だ。ゴッホと同時代の画家で、彼も最後は狂死している。

ペーチには美術館が非常に多く、楽しみである。

hungary11


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