マジャールの残影 12

1997年4月28日 月曜日 花曇り

午前中、二人でスケッチに出る。

ヤーノシェピンツェの近くで「スプーンおばさん」のレストランを見付けて入る。学生相手の定食屋という感じ。

ここでは家庭料理の味に出会えた。

小さなニョッキの入ったスープとチキンローストとフライドライス、ライスにはグリーンピースが入っていた。これらを2皿ずつと、ジュースとティー、しめて570Ft(400円)だった。

家に戻り、シャワーを浴びて昼寝。

夕方から再び二人で町へ出る。あちこち歩き回り、写真も撮った。

帰りしなに、一軒のSÖRÖZÖ(セレーゼ)に入る。裏通りにある、目につかないビアホールだった。マダムも客も感じが良かった。観光客が立ち寄る店ではなく、常連ばかりで和気藹々という感じ。

この街では、まだ東洋人の姿を見ない。私達は珍しいらしく、立ち止まって見る人もいる程だ。だから、店に入っていくと皆ちょっと驚いたようだったが、冷たい態度ではなかった。

ビールとソーダ水、それとサンドイッチを頼んでテーブルに運ぶ。

カバンから画帳を取り出してスケッチした。酒場の中はいつも良いモチーフが転がっている。フミコが

「絵を描くから動かないで」

と言うと、その若い男の子はその間じっとしていてくれた。私にはとてもそんな事を言う勇気は無い。女は図々しい。

マダムと客が絵を見たいと言うので見せてやった。絵は言葉無しに人に心を伝える。彼らは頷きあって

「ケセネ(ありがとう)」

と言った。

結局居心地が良くて、レストランに行く時間を逃してしまった。

11時頃家に着き、パンとサラミとチーズで遅い夜食をとってからベッドに着いた。

hungary12


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