マジャールの残影 18

1997年5月6日 晴れ

11時頃、昨夜荷造りした小包を持って再び郵便局へ行った。

12番の窓口の受付は昨日とは違う女性で、運の良い事に彼女は英語が話せた。受付はスムーズに行った。

しかし、料金は7000Ftとベラボウに高い。船便で、しかも書籍小包なのでそんな高い筈はない。地球を歩くの情報でも、5kgで950Ftとある。2年の間に値

段が上がっても、せいぜいその倍くらいの筈である。

「そんなに高い筈はない。トゥー エクスペンシブ」

と言うと彼女はもう一度調べ、海風にすれば良い、とナイフと紐を貸してくれた。テーブルの上で箱の上部をナイフで切り開き、中身の本が飛び出さないように小包に紐を掛けた。

結局、荷物は書籍小包扱いになり料金は2000Ftだった。昨日の係だったら、5000Ft余計に取られたわよとフミコは言った。ここで5000Ftもありゃ、レストランに二人で行って散々食べても5回は食事できる。ウカウカしてられない。

郵便局を出て、昨日のカフェに立ち寄りアイスコーヒーを飲んで軽い昼食。それから公園に行ってスケッチした。

セントラルバスステーションに行き、ブダペスト行の乗場と発車時刻を調べる。

バザールで買い物をして帰る。

夕食の時に、宿のオジさんにグヤーシュ(肉と団子のスープ)を貰った。ハンガリーの家庭の味がした。

夕食の後、キッチンで衛星放送を見る。真面目にやっている所はMTV(マジャール放送)らしい。映画は内容が重苦しいものが多い。

孤独である。こちらの人間はアジア人に比して孤独に強いのではないかと思う。町のあちこちで孤独な人間を見かける。独立した行動は、孤独に耐える精神力から生まれる。それが無ければ、常に周囲と同じ行動パターンを取り、群れていなくては生きてゆけない。

映画の内容は単調で暗いものだった。言葉が解ればもっとドラマチックなのであろうが、気分が憂鬱になってしまう。

最近は気分が憂鬱で怒りっぽくなっている。仕事から解放され、呑気に旅しているのに…。普通なら楽しくてしょうがない筈なのに何故か?よくわからない。去年、1ヶ月バリを旅した時もそうだった。高い金を使ってわざわざ苦しみに来ているような気持ちさえした。今回も同じだ。

多分、私は病気なのだ。どこかが悪い。動脈硬化が進むと、精神的にそういう状態になると本で読んだ事がある。日本へ帰ったら一度病院で精密検診を受け、治すべき所は治さねばなるまい。健康状態はあまり良くない。速く歩くと苦しくなる。疲れやすくなっている。

時々、生きているのが嫌になる。

hungary18


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