マジャールの残影 19-2

昼食の後、店を変えてコーヒーを飲んだ。町の外れの、大きなマロニエのある店。このマロニエの木陰の席は魅惑的で、何度か写真を撮ったりした所である。

一人の老人がワインを飲んでいた。なかなか良い顔をしている老人で、私は写真を撮らせてもらった。言葉は通じないが、話はお互いにわかる。

「あんたらはどこから来たんかね」

「ヤーバン(日本)です」

「オー!あんたら日本人かね!スズキ、ホンダ、ヤマハ、それから…うーんと」

「まあそうなんですが…」

「時計は持ってるかね?」

私はポケットから携帯用の目覚まし時計を出して老人に見せてやった。

「あー、もう2時かい」

とまあ、こんなやり取りである。

老人はもう1杯ワインが飲みたいらしかった。私達は店を出る時にウェイトレスさんに少しお金を渡し、あの老人のテーブルにワインを持って行って下さいと頼んだ。振り返ると、さっきの老人とウェイトレスさんが手を振っていた。

人種は違っても、民族は異なっても、心は同じなんだなあと私は改めて思った。

町の今まで行った事のない外れの方に行ってみた。テクテク歩きながら写真を撮った。

夕方ホテルに戻る。キッチンで料理し、コンソメのヌードルスープとパンで夕食。

hungary19-2


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