マジャールの残影 33-1

1997年5月21日

街中をテクテク歩いていると、昨日の香港人の若いカップルに会った。

私が

「一緒にお茶でも」

と言うと、香港人は

「これから美女の谷のワインセラーに行くんだけど、一緒に行ってみませんか」

と言う。

私らも暇なので一も二も無く賛同して、一緒に着いて行く事にした。

香港人の青年は謝家華(アレクシス・チー)と言う名前で、香港の税関の役人であった。3週間の休暇を取って奥さんと二人で東欧を旅行しているのであった。

見ているとなかなか旅慣れており、行動的だ。言葉が通じまいが通じようがお構いなく、英語でペラペラその辺にいるハンガリー人に聞きまくる。そのうちバスの乗り場もわかり、私達はバスに乗り目的地で降りていた。

ハンガリー人はほとんど英語を解しない。それでも何とかなる。

私は、日本語一本やりで世界を一周した日本人を知っている。

その人は小柄な日本人で、下駄を履き荷物は風呂敷に包んで持ち歩いていた。ナリは小さく貧弱ながら、大変な豪傑だと思った。国境の役人などは、日本語でまくしたてればめんどくさくなって「行け行け」と通してくれると言っていた。

言葉が分からぬ方が便利な時も結構あるものだ。

誰かが誰かの悪口を言っていても(時には自分の)、一向に気にならぬ。ゴリ押しも効く。わからぬふりをする事もできる。私は相手の言っている事が分かっていても、めんどくさい時は日本語で返事をすることにしている。うるさくしつこい物売りや闇ドル屋も、こうすれば最後は諦めて離れていく。

hungary33-1


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