マジャールの残影 50-2

夜8時ごろ、最近見つけたマルギット橋へ行く途中にある(裏通り)レストランに2人で行った。

フミコが見つけたレストランで、なかなか素敵な店だった。非常に個性的で、こじんまりとしたおしゃれなカフェだ。

店の中にはキャンドルが灯り、ピアノ弾きが上手にピアノを弾いていた。曲は昔のダンスミュージック(アメリカ)とか、古き良き時代のものが中心で、なかなか聴かせるものがあった。

ピアノも店の調度も古いヨーロッパのもので、一つ一つが素敵で目を楽しませてくれる。サービスも適度で、料理も内容がしっかりしていて美味しかった。

私はビール、彼女はソーダ水を先に注文し、それを飲みながら、ピアノを聞きながら、ゆっくりとメニュー表を調べた。私はchees sope with breed(これは丸いパンをくりぬいて、中にクリームスープが入っており、蓋にはクリームチーズとパプリカがのっている)と、トマトとオニオンのサラダ、メインディッシュには肉、キノコ、トマト、オニオンを煮込んだハンガリー独特の料理、付け合せはハンガリーポテトを注文した。

フミコはレバーを挟んだオリーブのサラダと鳥の串焼き、及びチキンスープとパンを注文した。

ピアノ弾きが滝廉太郎の「荒城の月」を見事なアレンジで弾いたので、私は彼の顔を見た。

中年のピアノ弾きは、亡くなった兄とどこか良く似ていた。ソフトタイプの紳士で、名前をアルバートと言った。彼は日本の金沢に2、3年居たことがあると話してくれた。

「日本人は皆、親切にしてくれた。いい所だった。また行きたい」

と彼は懐かしそうだった。

私は彼にチップ(1000Ft)を渡し、シャンソンの曲ドミノを演奏してもらい、その中で食事した。

素敵な店、素敵な料理、気の利いたピアノ、久々にいい気分。私達は店を出る時、アルバートと店のマスターと握手した。この店なら、また来てみたいと思った。

店を出た後、すぐ近くのドナウの岸辺を散歩した。夜9時にやっと暗くなる。

夜の11時を回っても、岸辺は散歩をする人や犬が結構いて、何ら危険はない。

ドナウに架かる橋や、ブダの丘の上の宮殿や、マチャーシーの教会の塔がイルミネーションに輝いて美しい。ドナウ川を上り下りする船の灯が水面にチラチラ揺れる。河岸に舫ったレストラン船からは、人々のさんざめく声や音楽の調べが流れてくる。

なかなか忘れがたい印象を受けた。

hungary50-2


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