マジャールの残影 53-2

帰りしなに、美味しいアイスクリーム屋に行こうという事になった。

アイスクリーム屋まで来たが路上はどこも車で一杯で、駐車するスペースを探して走り回った。やっと見つけたと思ったら、若者の車に先を越された。そのやり方があまりにえげつないので、頭にきた。

拝崎君は彼らとドイツ語で喧嘩だ。私達が喧嘩を楽しんでる?間、女達はアイスクリーム屋に行ってアイスクリームを買ってきた。

それを舐めながら、拝崎君は喧嘩を続行する。喧嘩と言っても、両者とも暴力は決して振るわないのだ。先に手を出したら負けというルールがあるからである。まるでこちらの犬同士の喧嘩と同じだと思った。

私がカッとして、車の外へ出て

「この野郎!やるか!」

と腕をまくり始めると拝崎君が慌てて、

「栗岩さん止めてください。手を出したら負けですから」

と制した。

私は馬鹿らしくなり、車に戻った。

アイスクリームを食べてしまえば用もないので、その後アーニャの新しい彼氏のトニの店へ行った。

その店はオペラ劇場(フォルクスオーパー)の近くの地下にあった。なかなか落ち着いたムードの店だった。

トニはレバノン人であったが、初めはイタリア人と思った。どうにも私達の勘は当たらない。

トニにお茶をご馳走になった後、ペンション・カイセラーの近くまで拝崎君が送ってくれた。

hungary53-2


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

Current day month ye@r *