1990年4月12日 ミルフォンテス
美しい海岸の町にやって来た。両替の為に寄ったのだが、きれいで古びた感じなので、少し留まることにした。
バンコで両替。バンコは普通の民家と変わらない。その裏は浜辺で、青い海が目の前に広がっている。
両替を済ませて少し歩くと、ルームの札があったので、その家のドアを叩いた。太ったおばさんが出て来た。まだシーズン前なので、部屋は空いていた。二人で一泊1500エスクード(1500円)と安い。こじんまりした綺麗な部屋だし、感じも良いので、2日泊る事にした。
熱いシャワーで旅の垢を落とし、生き返った感じがした。その後、中庭で洗濯をした。衣類は、ほこりと垢ですごいものだ。洗うほどに黒い水が出てくる。しかし、よく乾いた清潔な服に着替えた時の気持ちの良さは、天にも昇る心地だ。
町のメルカードに行って、必要な物を買った。石鹸、歯磨き粉、食糧、ワイン等など。
夕方、海岸を散歩した。絵のように美しい。あまり綺麗で、自分には現実感が伴わない。というより、ノスタルジアがない美しさだった。自分のふる里の海と山を想った。浜辺でテングサを拾った。部屋で自炊して夕食。
夜遅くまで街路を人が歩いて、夜中にも酔った男女の笑い声が聞こえた。大方、リスボンあたりから来た観光客であろう。