自転車旅行(スペイン・ポルトガル編)5-8

1990年4月15日

今日もピーカン。快晴で気持ちが良い。

しかし、相変わらず向かい風。峠ではひざが痛む。高くても、本格的なサイクリング車を買えば良かったと、後悔している。これ程、坂道ばかりとは知らなかった。しかし、後悔先に立たず。何事も教訓だ。今度、自転車旅行をする時は、10段位のギヤを持った、ハイパワーなものを用意しよう。

昼過ぎ、コムポルタを過ぎる。村の外れの教会の塔の上に、コウノトリの大きな巣があった。その真ん中に、大きなコウノトリが風に向かってじっと立っていた。この鳥はコンドル程大きく、まるで風見鶏のように見えた。子供の方はガチョウ程の大きさで、親から餌をもらってパクパク食べている。何だか、笑ってしまった。しばらく観察してから出発した。

旅の途中、色々と珍しい生物を見た。フンコロガシも初めて見た。田舎道を走っていた時、黒いコガネムシが、ピンポン玉くらいの糞の球を、一生懸命転がしているのを見つけ、しばらく自転車を止めて、見ていた。このような出会いも自転車ならではである。少し道が下り坂であったから、下手すると糞球が手足を離れて勝手に下へ転がって、コガネムシは大事なごちそうを失う事になるはずだが、実に巧みに糞球を坂の下へと転がして行くので、感心した。

見知らぬ草花、山菜、色々な生き物たちを毎日発見しては、僕らは喜んでいる。それにしても、野原に咲き乱れる花の美しさ、その多さには驚くばかり。

夕方5時、海岸の近くでキャンプ。(リスボン方面から)車でやって来たドイツ人が「ここはキャンプしても危険はないのか?ポリスは来るか?」と尋ねてきた。「ここは初めてキャンプするから、安心かどうか分からない」と言うと、行ってしまった。

都会が近くなると、フリーキャンプの危険度(泥棒、強盗など)は増大するので、不安になってくる。

その場所は、国道から車が用意に入って来れる場所であったので、安全のためテントを森の奥へ移動し、隠れキャンプをした。どこからも容易に見えない。自転車でしか入れない場所にテントを張って、敵から隠れるようにしてキャンプするのだ。タイヤや足跡も消してしまう。安全のためには良い方法である。

cycle5-8

長い間野宿ばかりしていると、人間いやでも用心深くなるものだ。そしてまた用心深くなくては、このような生活も続ける事は出来ない。

どんなに熟睡している時でも、少しの物音でも目が覚めるし、次の行動も素早い。車が入って来れるような場所はキャンプも楽だが、いろんな奴が来る訳だから危険は多くなる。歩いてしか入れない場所、道路からずっと離れた場所ほど、安全だと言って良いだろう。

公園、道路脇のパーキング等でのキャンプは、最も危険であると言える。こうした場所へは、暴走族、強盗、ポリス、泥棒、酔っぱらい、浮浪者、精神異常者がよく夜中にやって来るのでろくな事はないのだ。彼らの常として、移動の手段は車である。だから、車で容易に行かれない場所をキャンプ地として選ぶ。しかも、道路から決して見えない場所にキャンプするのが、用心深いやり方である。

 


One thought on “自転車旅行(スペイン・ポルトガル編)5-8

  1. スペインとポルトガルあたりはコウノトリが多いですよね。スペイン・カセレスのサンタ・マリア教会の屋根には沢山のコウノトリが巣をつくっていたのを懐かしく思い出しました。続き、楽しみにしています。

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