中国・シルクロードの旅 1

china11989年5月10日

ノースウエスト機香港行は17時30分に成田を離陸。10000m上空で夕食。寝不足とアルコール過剰の為ボーとしている。

上空から眺める香港の夜景は、さながらSFXの世界。

イミグレで時間が掛かり、空港を出たのは夜の10時過ぎ。リザーブしておいた金冠旅館を探し回る。バスに乗ったり歩いたり。

それにしてもなんという暑さだろうか…。東洋と西洋が入り混じり織りなすカオスと、何やら怪しいチャイナのムードが町全体に漂っている。

やっと着いてみると、目指すホテルはボロでシャワールームの配管は赤く錆びて膨れ上がり、天井や壁はしみだらけ。おまけに床には、アジアにならどこでも見られる、油じみた暑苦しい羽根を着込んだゴキブリどもがチョロチョロ見え隠れしてる。

ここは一度迷い込んだら生きて出られぬという東洋の暗黒街の一つ、九龍のど真ん中。何やら得体のしれないムードのホテルで、コンクリートと一緒にジャンクの行き来する海の底に沈められてしまうんではないかという妄想が頭をかすめた。でもまあ予約もしてある事だし、こんな夜中に妻を連れ他のホテルを探すなんてのは九龍では群がるサメの中に身を投ずるのも同じ事なので、僕は受付のMsサリーにぎこちない英語で「いやー、待たしてしまって。探すのに苦労しましたよ」なんて言ってしまった。

それから刑務所の独房を思わせる窓の無い暑苦しい狭い部屋に入り、内側からしっかりと鍵を閉め、天井でガーガーと回る扇風機の音を夢うつつに聞きながら二人は泥のような眠りに落ちて行った。

妻のフミコにとって最初の外国だった。私は45歳。この旅が1年半もの冒険に満ちたものになるとは、そして私達の運命を変えるものになるとは知る由もなかった。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

Current day month ye@r *