中国・シルクロードの旅 2

china21989年5月13日

ここのところ、毎朝9時頃に起きている。毎日、日本の夏のように蒸し暑い。

熱いシャワーを浴びて、共同の冷蔵庫からフルーツとバターとパンを取り出し、フロントで熱湯を貰って来て、ジャスミンティーを飲みながら部屋で遅めの朝食を済ます。

中国のビザの手配をフロントに頼んでから今日で3日目だが、まだ出来て来ない。

パキスタンのビザは自分で領事館まで出向いて取る事にした。パキスタンの領事館のある場所を探すのに香港島までフェリーで行き、ワンチャイの辺りを散々探してみたが分からなかった。

ワンチャイはマンハッタンのような所で、コンクリートとアスファルトと金属から成る、目も眩むような摩天楼のジャングルだ。

パキスタン領事館に電話した時は、受付がお国訛りの英語でたしかにナンバルワン・エムバシ・ロードと言っていたが、そんな名前の通りなんて無かった。こいつは後で詳しい市街地図を買って調べるとNo.1-Henessy Rdが本当の住所だと分かった。

つまり、相手の発音がひどく悪いため、ヘネシイロードがエムバシイロードと聞こえたのだ。Embassyは大使館の意だからそう聞き取れたのかも知れない。上げ膳据え膳のパッケージツアーと違って、個人の自由気ままな旅にはこんな苦労は毎度の事だ。それが面白くもあるのだが、時々疲れる。

海の向こうの香港島はさながら海上に浮かぶニューヨークだし、僕らのホテルのある九龍は怪しげなムードを持ったチャイナタウンだ。冒険好きで好奇心の強い二人にしてみれば、九龍の方が刺激的で面白い。

そして九龍のハーバーシティーから眺める香港島の夜景は、この世の物とも思えぬ程に美しい。潮風に吹かれながら夢見るような香港の夜景を眺めていると、このように美しいものがこの世に存在しており、そしてそれを見る事が出来て自分らはラッキーだと思った。

九龍のネイザンロードは朝から白人、黒人、インド人…世界中の人種と、ありとあらゆる階層の人々で溢れている。汚いなりの男が建物の陰に座り、二弦琴をつまびいている。時たま誰かが立ち止り、男の前に金を投げてゆく。

ホテルへの帰り道、僕はその男を見て思った。人生もまた様々であると…そしてまた逃れ得ぬ宿命もあるのだと…。

思わず涼しい風の吹く所で冷たいビールを1杯やりたくなるこの蒸し暑さ。


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