中国・シルクロードの旅 8

china81989年5月22日

大きな河、その畔に赤いレンガの2階建ての家々が危なっかしく建っている。家の周囲はバナナとかユーカリの木が茂っている。河に面した空き地にはニワトリやアヒルが走り回ってるのが見える。少年が水浴びしている。男たちが数人、腰を下ろしたり立ったりして、ぼんやりと河を行く船を眺めている。ベトナムの奥地でも旅してる感じだ。

僕らの乗ってる南寧行の船は、湖の遊覧船のような船である。全長が40mくらいで平底、エンジンルームには2機のジーゼルエンジンカタカタと回っている。40絡みのランニングシャツ姿の油じみた機関士が、タペットに油をさして回ってる。船はオンボロで乗客は一杯。今にも沈みそうだったが、朝起きてもちゃんと走っていた。

スターン(船尾)に厨房があり、中国人のコックが朝飯のラーメンを作っていた。食券を買って(1元)食ってみたが、味は薄いし生ぬるいし麺はのびきっているという代物だった。

デッキや通路は、乗客が食べ散らかす食べ物のカスやピーナツのカラや、所構わず吐く唾や痰で一杯、ゴミ溜めの中にいるようなものだ。時々下っ端のボーイが掃除するが、相当いい加減なものだ。

それでも、広大な中国大陸を船で旅するのは素晴らしいものだ。河口は人々の生活があり、美しい自然や快い風、ゆるやかな大河に生れ消えるドラマがある。河は広い所では数km、狭い所で50mくらいの幅を保って、中国大陸奥地まで続いている。

広州から南寧まで3泊4日の旅である。

すれ違う船は大小様々。竹で編んだカマボコ型の屋根のついた漁師の舟。夜になると舟の中に赤い火がチロチロ燃えているのが見える。カミさんがカマドで晩飯の支度をしてるのだ。

一番多いのは荷役船(タンカー)で、全長が30~50mくらい。スターンには操舵室と居住区(キャビン)がついている。女が河の水を組み上げてデッキで洗濯してたり、子供や犬がそのまま河で遊んでるのが見える。マストの間に張り渡したロープには洗濯物がたくさんぶら下がり、風にひるがえっている。

どの河船にも一家族が乗って、水上を旅し暮らしているのだ。日本にもこのような河があれば、こんな生活も愉快だろう。


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