中国・シルクロードの旅 10-3

china10-3運転手たちの食事が済むと、バスはすぐまた走りはじめた。

夕方の4時頃、やっと終点の宜山に到着した。「宜山火車站」と紙に書いて運転手に見せ、駅を教えてくれと頼むと、来いと言って駅の見える所まで我々を連れて行ってくれ、指さして教えてくれた。通りの向こうに大きな白い建物が見え、「火車站」という大きな赤い看板も認められた。世話になった運転手に「謝謝、再見」と言うと、彼は何やら言いニコニコ笑って戻っていった。

宜山は小さな田舎町で、こんな所に来るツーリストはいないから、人々は我々を物珍しげに見て何やら喋り笑っている。駅へ行く広い通りは泥道だがトラックや荷馬車が時々通るくらいで、道路脇には屋台のテーブルや椅子が並べられ、人々が饅頭やラーメンを食ったりしている。ジャガイモやスイカや青々とした野菜、肉の塊などが所狭しと並べられ、人々が売ったり買ったりして賑やかだ。駅前の旅館のスピーカーから流行歌が流れて聞こえてくる。
走ってくる馬車や自転車に注意しつつ左右をキョロキョロ見ながら片手にギター、肩に小さいザックを担いで駅まで歩いた。中はガランと広く、ベンチがたくさん並んでる。

昆明行は1本だけあったが、出発は夜の11時過ぎと分かった。切符売り場は閉まったままだし、中国の現金も人民元、兌換券合わせても200元足らずで心細い。切符も手に入るかどうか分からなかった。交代で荷物の番をしながら、トイレに行ったり食事に行ったりして待つことにした。

夕方の6時頃、いきなり切符売り場の窓口が開いた。並び始めた客の後ろにフミちゃんが行った。

結局手に入ったのは、昆明までの3等の切符だけだった。しかし当日券が手に入っただけでもラッキーと言わねばならない。中国は人口がやたらと多い。それに比して汽車は非常に少ない。だから何時も満員なのだ。切符売り場に半日並んで待っても何も買えない事はザラである。しかも駅員は話にならないくらい不親切で横柄ときている。

旅行会社などを通して買えば、欲しい切符を手に入れるのに何日も待たされた上、手数料も高い。この国のサービス業は、とてもサービス業なんて言えたものではないのである。終いにはどっちが客だか分からなくなってくる。

という訳で、本当は2等の寝台券が欲しかったのだが3等切符を有難く頂戴して、23時30分の夜行列車が来るまでガランとした駅の待合室で汽車を待つことになった。待合室の中には浮浪者や、何やら得体の知れない連中がウロウロしているので荷物から目が放せない。

汽車が来て乗客が行ってしまうと、我々だけがポツンと残された。周囲を怪しげな連中に取り囲まれ、おまけにモスキート軍団の猛攻撃ときたもんだ。それでも定刻より10分遅れただけで、12時近くに汽車がやってきた。それにしてもひどい蒸し暑さだ。

3等というのはもちろん全部自由席。したがって当然、我々の座る余地なんて無かった。仕方がないので列車のデッキにビニールシートを敷いて座り込み、リュックを抱え込んで眠った。

夜中にどこかの駅に着くと乗客の一部がドヤドヤと降りたので、空席を見つけてやっと座ることが出来た。

昆明へ着いたのは、それから3日後の夜明けだった。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

Current day month ye@r *