中国・シルクロードの旅 12-3

china12-32等のスリーパーは、一つのコンパートメントにテーブルを中央に挟んで3段ベッドが向い合って設けられ、車両の右側に幅1.3mくらいの通路があり、窓の所に折畳式の椅子と小さなテーブルが付いていて、乗客がお茶を飲んだり新聞を読んだりしている。

汽車は険しい山岳地帯をずっと走り続けており、トンネルが数分おきに連続してある為に室内は煙のためにくすんでいる。これ程トンネルの多い鉄路を通ったのは初めてだ。この鉄道を造るには、万里の長城を造るに匹敵する程でないにせよ、かなりな労苦と時間が必要であったろう。

中国人は時間というものを気にかけないのだろうか?土木工事の現場に夥しい人間が群がり、天秤棒とモッコで土砂を運んでいるのをよく見かける。土木工事のクレーンやブルトーザーがあるにはあるが、普及してないようだ。

同じコンパートメントでは、若い姉妹と一緒だった。二人とも黒いタイツを穿いている。卵とバナナを貰った。こちらもビスケットを勧めたが、遠慮している。二人とも美人である。

成都までの2等スリーパーの料金はおよそ40元。これは1ヶ月分の給料の半分に匹敵する。1等のスリーパーだと中国人の1ヶ月分の給料くらいだから、汽車の料金は非常に高いと考えられる。

彼女らはひっきりなしにバナナとかお菓子とか弁当とか食べており、その食欲には呆れてしまうが、二人とも他の中国人と同じように細い体つきで太ってないのである。

彼女らに日本語で教えたり、僕らは中国語を教わったりしていると、そこへ英語の話せる中国人が来て僕は彼と英語で色々な事を話した。この人は生徒の大学の先生で、見たところコメディアンの坊屋三郎と感じもそっくりだったが、非常に博識で話が面白かった。

この先生に北京の事を聞いたが、あまり良く知ってなかった。でも我々の目的地の成都でも暴動があって、デパートや商店が焼き討ちされ、市バスや警察、軍隊の車がいっぱい燃やされた事、夜間の外出が禁止されている事、市バスが動いてないのでホテルへはタクシーで行くしかないという事が彼の話で分かった。

駅に着いて彼らと別れ、駅前で成都市街の地図を買っていると、すぐタクシーの運ちゃんが声をかけてきた。ホテルまで30元だと言う。普通8元くらいが相場だから断った。

中国の市街には市バスの他に個人営業のマイクロバスがいっぱい走っている。これが駅前で客を拾っている所へ行ってホテルまでの値段を聞くと、1人3元だというので乗った。これも普段は1.5元なのだが、暴動のために公共の交通機関が麻痺してしまっているので、2倍に跳ね上がっていたのだ。

ホテルまで行く間に、路上で燃えた車の残骸や焼き討ちされたり打ち壊された商店やデパートをたくさん見たが、その時初めて暴動の凄まじさを実感できた。


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