中国・シルクロードの旅 18

china181989年7月3日

朝ハミに着く。汽車から降りてプラットホームで名物ハミ瓜を買う(1個2元)。10分くらいで出発。

SLはコンパスで見ると西北に向かって直線で走っている。右手には天山山脈の手前のホクダ山脈が連なっている。左手は砂漠が広がっている。地図によれば彼方にクルターグ山脈が望めるはずだが、視界がはっきりしない。
手前はまばらな草原で、その向こうに灰黒色の砂漠が広がっている。

朝起きた時、そこに海があるのだと思った。夜が来て暗くなると星が瞬き、砂漠は夜の海のように見える。時々遠くに車のヘッドライトが光る…それはあたかも洋上に浮かぶ船の灯のように見える。砂漠の色彩は太陽と空の状態によって刻々と変化する。ここにいると、自分のちっぽけさや愚かさを感じない訳にはゆかない。我々の意識を超えた存在である。こういう所をオートバイで思いっきり走ってみたいと思う。

昼近く、左手の砂漠の彼方にクルターグ山脈を認む。地図によればクルターグ山脈の向こうにさまよえる湖、ロブノールが広がっているはずだ。

朝は少し曇っていたが、西方に進むにつれて青空が広がり太陽の強い光が砂漠に反射して眩しい。しかし風はさらりとして車内は涼しい。

ほとんど家らしいものは認められない。遠くにパオと羊の群を認める。ここから北に向かって、広大なトルファン盆地が続く。

トルファン盆地は世界で最も海から遠く離れた盆地で、標高は海面より低い。冬は-40℃、夏は40℃位になる自然条件の厳しい土地である。左手の砂漠地帯は巨大な湖が干上がったような感じで中央部が低くなっている。ここは月世界のようである。地球上の巨大なくぼみである。

ここから先はウイグル族の土地である。ウルムチの街は漢族が50%いるが、カシュガルまで行くと99%はウイグル族であるため、文化は全く異なるし風俗も変わる。宗教も回教であるため、中国領とは言え異国である。

早くカシュガルへ行きたい。

昼過ぎ、汽車はトルファン盆地に差し掛かる。灰白色、燃えるような赤色、黒灰色、白色、黄土色…と場所により様々な色彩を帯びて砂漠が輝いている。この辺りの砂漠の風景は変化に富み、決して見飽きることはない。夢のように美しい…。

前方に天山山脈が迫ってきた。山の頂上は白雪で覆われている。中央アジアの始まりである。

トルファンから先、天山南路と天山北路に分かれる。僕らは天山南路でカシュガルを経てカラコルム山脈を越え、北パキスタンに行く予定である。ずっと陸路での旅である。インドを目指しての旅、ヒマラヤはまだ遠い彼方だ…。

午後4時、砂漠は熱砂の海となった。蘭州からずっと涼しかったが、トルファンは暑い。香港以来の暑さだ。しかし乾燥している為、汽車が走っている限り涼しい。
砂漠の彼方に時々、小さなオアシスを見る。さながら海に浮かぶ孤島という感じである。


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