旅の記録 印度編 7-1

india7-11989年11月11日

ヒマラヤは雪が降っているらしく、雲に隠れて見えない。

朝、ヌルマの店へプリを食べに行く。この辺りではここが一番うまいし良心的である。店の中でスケッチしても文句も言わなかった。かといって、親父も息子も無口でそんなに愛想は良くない。しかし、親子ともナイーブで好感が持てる。

プリは朝食であって、昼や夜は食べない。エグ・プレート(一皿)くれと言うと、小僧が熱いダルカリ(豆のカレー)の上にダヒ(ヨーグルト)をかけ、生の玉ねぎと大根の塩漬けを数切れ乗せたステンレスの皿と、大きな木の葉に風船のように膨らんだアツアツのプリを2枚乗せて、テーブルに運んでくれる。(1セット3Rs=24円)

プリの頂上の辺を指で突いて穴をあけてから、手の平で下に押して(やけどに注意!)風船のように丸く膨らんでいるプリを平らにする。それから、右手だけでプリをちぎってカレーをプリの皮で包むようにして食べる。

15年前に僕がインドを旅した頃は、頼まないとスプーンは持って来てくれなかった。しかし、今は初めからスプーンが2つくらい付いてくる。インド人も平気で左手を使う人が多くなったし、スプーンで食べる者がほとんどだ。

右手だけでプリやチャパティをちぎって食べるのは、やり方を知らない者には難しい。小指、薬指、中指の3指でチャパティを押さえ、人差し指と親指を使ってチャパティをちぎるのだ。左手を使わず右手だけで食べる時は、そういう食べ方が一般的である。

彼らが左手を使用しないのは、トイレで紙の代わりに水で洗うが、その時左手を使用するからである。トイレでは決して右手は使わない。握手も必ず右手でする。だから彼らが食事の時左手を使用しないのは理にかなっているし、また衛生的であると思う。しかし、まだトイレットペーパーが一般的でないのに、食事の時左手も使うという事は衛生的でない。おそらく上流階級や外国人の真似であり、ファッションになっているのかもしれない。

プリとダルカリのワンセットが3Rsであるのに、トイレットペーパーは1個なんと18Rs(144円)もするのだ。日本では50円で売ってる。これはサラリーが月額2~3000Rsの一般的なインド人の収入ではとても安易に使えるものではない。トイレットペーパーがこんなにメチャ高なのは、やはりインド人がトイレで水を使うのが一般的で需要が無いためであろう。

僕らもパキスタン以来ずっと紙ではなく水を使用しているが、慣れると水の方がずっと気分が良いし衛生的でもある。肛門をいつもきれいにしている事になるから、「ぢ」も治った。実際、紙を使用する民族の方が「ぢ」が多いという事である。インドでは「ぢ」の患者は非常に少ないようだ。しかしガンジーの父は「ぢ」病で亡くなったが…

しかし、歯医者は結構はやっている。とにかく酒を嗜まない故か、大の男が甘いものを喜んで食べている。スウィートショップは髭面の男達でいつも一杯だ。おまけに一日に何杯も飲むチャイ(ミルクティー)ときたら、ワンカップにスプーンで5杯分の砂糖が入っているのだ。

甘いものが嫌いな人は、この国では辛いものしか他に食べる物は無い。甘いものも辛いものも嫌いな人は、この国では死ぬしか他に道はないだろう。極甘と極辛、この味がインド人の好みであるらしい。とにかく大変な民族であることは間違いない。


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