やっぱしエエな、旅は 10

10夕方、砂漠の中の小さな食堂が1軒と公安局、建物が数軒ある限りの集落に差し掛かった。

バスが止められた。検問らしい。公安の若いお巡りが車の点検をしている。運転手が呼ばれて何か言われていた。

このバスはクラクションの音が蚊の鳴くように小さく、その上ウインカーも点かないので通行を許可できないという事らしい。乗客と運転手が考案に頼んでも通してもらえなかった。

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やっぱしエエな、旅は 9

91989年7月24日

宿舎の廊下を歩く足音や、他の客の話声で目が覚めた。外はまだ真っ暗である。貴重品を詰めたデイパックを抱えて外へ出る。

バスの運転手はエンジンをかけるのに悪戦苦闘している。その間に乗客は全員バスに乗り込んだ。やっとの事でエンジンがかかり、バスは未明の砂漠の中を出発した。

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やっぱしエエな、旅は 7

7こんな失敗もある。

バスに乗っていたが、中の座席に乗りたいのでポケットから金を出して2元渡し、あとは日本語でまくし立てて無理やり承知してもらった。それで屋根から降りて中に乗り込み座席に座ろうとすると、自分の座席「指定席」に他の客が座っている。

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やっぱしエエな、旅は 6

6星屋館は不便な上に暑いので、僕らは街の中心部の森の中にある伊楽ホテルに移った。

このホテルは涼しい上に快適だった。この街の一流ホテルで、敷地内には昔のロシア式の建物が建っている。そこの4人部屋を借りたが客は他になく、僕ら二人だけだったのでノンビリできた。料金は1人8元だった。

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やっぱしエエな、旅は 3

31989年7月14日

今日は部落の祭りの日である。

朝、外に出ると、あちこちの家の前で羊を殺して解体しているのでびっくり。爺さんが子供に手伝わせて、またたく間に羊の皮を剥ぎ、その皮の上で解体する。内臓を取り去ると、羊の片足を木の枝から吊るした。カギに引っ掛けてぶら下げる。

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やっぱしエエな、旅は 2

2カザフ族の男は精悍な顔立ちで、馬術に長けている。黒いハンチングをかぶり、黒い乗馬靴を履き、片手に皮の鞭を持っている。

街道内の食堂で飯を食っていると、馬を食堂の入り口の柱につなぎ、長靴をドカドカ鳴らしてカザフの男達が店に入ってきた。アンソニークイン氏とリーバンクリーフ氏(西部劇の悪役スター)のおでましだ。

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やっぱしエエな、旅は 1

1 サリム湖岸の食堂中国、シルクロードからインドへ、そしてスペインと旅は続く。ここはその途中。

予定は1年間、そして予算は一人50万円…いったいどんな旅になるのか僕にも分らない。でも自由になりたいな、と思ったから出発。やっぱしエエな、旅に出るってのは、ハハハ…

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中国・シルクロードの旅 21-2

china21-2風景はスイスアルプスに引けを取らぬ美しさだ。しかしイリ地方を旅する旅行者は非常に少ない。一般に知られてない事、飛行機や汽車で来れない事、交通が不便で宿泊設備がロクに無い事、公安の許可が必要な事(我々はモグリだが今のところトラブルはない)などが原因と思われる。

僕らが泊まっている宿は部落にあるたった一軒の宿で、お世辞にもきれいとは言えない。1泊3元(120円)。知らない人だったら牛舎かなんかと間違えそうだ。

トイレは外、それも100mも先にある村の共同トイレだ。これがまた凄い。夜なんか、トイレに行く途中寝ている牛にぶつかったり穴ぼこに落ちたり、モー大変である。

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中国・シルクロードの旅 20-2

china20-2こんな所にいると人恋しくなるのか、夕方になると近所に住む男たちが旅社に遊びにきた。馬で乗り付けて来る男もいた。カザフ族である。ひらりと馬から飛び降りて手綱を入口の柱に結んで、片手に鞭を持ち皮のブーツをドカドカ鳴らしてレストランに入って来る。 続きを読む »

中国・シルクロードの旅 19

china191989年7月5日

ウルムチに着いて3日目である。ウルムチ駅に着いたのは7月3日の夕方7時頃だった。

地図を駅前で買ってホテルまでの路線を調べバスに乗ったが、満員で身動きが取れないまま降りることも出来ず、乗客が一斉に降りた所で一緒に降りたらそこが目指す紅山広場だった。 続きを読む »

中国・シルクロードの旅 18

china181989年7月3日

朝ハミに着く。汽車から降りてプラットホームで名物ハミ瓜を買う(1個2元)。10分くらいで出発。

SLはコンパスで見ると西北に向かって直線で走っている。右手には天山山脈の手前のホクダ山脈が連なっている。左手は砂漠が広がっている。地図によれば彼方にクルターグ山脈が望めるはずだが、視界がはっきりしない。
手前はまばらな草原で、その向こうに灰黒色の砂漠が広がっている。 続きを読む »

中国・シルクロードの旅 17-2

china17-2僕はラーメン党だから各地で色々な麺類を食べてみた。日本のラーメンと同じものはどこにも無かったが、中国には面白い麺がいっぱいある。ラーメンとはすなわち手で引っ張って作る麺という意味で、機械などで作る日本のラーメンはそれに相当しない。

本物のラーメンのふる里は蘭州である。

蘭州ラーメンを食べさせる店に行くと、職人が台の上でせっせと油を使って粉を練っている。水ではなく、油で練るためくっつかない。適当な大きさの塊を両手で掴んで、両手をあやとりをするみたいに動かしている。見る間に空中でラーメンが出来上がってゆく。出来上がったラーメンをさっと投げると、それが湯のたぎる大釜の真ん中に落ちる。その一連の動作はまるでマジックのようで、見ていて楽しい。 続きを読む »

中国・シルクロードの旅 17-1

china17-11989年7月2日

汽車は蘭州を経てカンスー省の酒仙辺りを走っている。北にはバダインジャラン砂漠が広がり、北にはチーリェン山脈が長く伸びている。

成都を夜8:55分定刻に発車したのは3日も前だ。

山も平地も薄い茶色、果てしない茫漠たる砂漠地帯に鉄路がどこまでも続き、汽車は夜も昼もひた走りに走り、我々は空白の時間の中へと迷いこんでゆく…。

ここまで来るともう中央アジアの世界だ。所々に緑の草原、ポプラの並木、泥で作った平屋の農家が見られる。少年も長い棒を手に、羊の群れを追っている。 続きを読む »

中国・シルクロードの旅 16

china161989年6月28日

ウルムチ行きの汽車はまだ不通のようだ。がけ崩れが原因らしい。

ジックミー君は荷物をまとめて今朝、近くのトラフィック・ホテルに移った。我々のいるホテルはピンジャン・ホテルで、すぐ近くにヒンジャン・ホテルとミンシャン・ホテルという外人用ホテルがあり、訪問者にはとても紛らわしくてよく間違いが生ずる。それで彼はトラフィック・ホテルに移る事にしたようだ。 続きを読む »

中国・シルクロードの旅 15

china151989年6月24日 成都にて

昨日、駅に切符を買いに行ったが何か事故があったらしく、ウルムチ行きの汽車の切符は手に入らなかった。

今日もホテルからバスで駅に行って、ブラックマーケットにあたってみる。駅の周辺にはダフ屋がいてすぐ寄ってくるのだが、どうやら28日まで駄目なようなので、再びバスに乗ってホテルに帰る。 続きを読む »